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きせつの想ひで。

ようやくすこし秋がみえてきました。
想いで話など、よほどのことでないとと思うのですが、暑かった夏をすこしは惜しんで(多分に強がりでしょうけれど)短いものならと書いてみる気になりました。
夏の日の想いでといえば、梅ジュースとスイカ、図書券。父方の祖母が大粒の梅を瓶につけこんでつくる梅ジュースは、かなりの甘さと梅の酸味できゅっと味覚を引き締められておいしかった。梅をつけこんで暗室に置かれた大瓶を時期がくると、祖母とそっと様子をみるのが楽しくもあった。一方、母方の祖父が地方の公立小学校の校長、あるいはもう教育委員会にいた時期だったか、いくとスイカと図書券をもらってきた。大きめの家庭菜園のスイカは、サイズも味も一様でなく、「出来はどうかな。」などと、コンコンとノックしていた。(その暇がなかったのかもしれないがあるいはほんとうは)均一にしようとは思わなかったのかもしれない。寝起きのカラカラの喉によくなじんだ。そして、なんといっても図書券。お財布の自由でない小学生にとって、図書と限定されているとはいえ、本ならばなんでも、というのは十分魅力的だった。いま思うとずいぶん大人びた本もたくさん買って読んだはずだが、おおかた忘れてしまった。けれど、これは自由に「使わなければいけない」というのは、どうやら頭をそれなりに刺激するらしい。今もときどき予算をきめて、最大限のものを選ぼうと百貨店などにいったり、ネットを検索したりする。
そして、祖母の家まであきるほど乗った電車のレールを進む音は、(たとえ全く同じ音ではなくても)今日も確実に眠りにいざなう。

夏バテになりやすい時期です。皆様どうぞご自愛ください。