a beaver build up a little public garden.6.a cafe and airport

エアフィールド・スミス・ジュニアはその晩遅く、分厚いベッドの上で薄い毛布に包まって久しぶりにぐっすり眠りました。夜は徐々に足音を潜め、静まりかえり、堅く冷えていきました。やがて暁頃になると、辺り一面に霜が降りて、部屋の小さな窓ガラスの表面も深まる秋の雫でびっしりと覆われていきました。陽昇り光射す頃、鈍く錆びた金属製の重たい戦車隊が、少し歪んだ砲身を載せてビリビリと地鳴り、彼の耳元ちかくを通り過ぎていきました。彼は深い眠りからまどろみへと移り、頭にズキズキとした痛みのようなものを感じながら、尚もウトウトと眠りました。陽が朝の力強さを纏うにつれ、小鳥の小さな明るい声とパタパタとした羽と尾の音が東や西から賑やかに優しく彼の耳のふかふかした所に届き、そのなかには愛らしく少し勇ましい鳥の声もまじっていました。小鳥たちも朝の景色の中でみな調子を整えているかのようです。彼はやっと瞳を開いて、遠くをみると、そろそろ起きる時だと思いました。以前に南の国のお土産にもらった硝子の枠の一つで支えた大きな柿の木の下で聞き役らしい祖母と真夏みたいな笑顔で話す子供を描いた壁の絵画も背中をそっと押してくれるようです。彼が紫色の美しい箱のそばに掛けた柔らかく繊細な綾糸を織られたピアノの為の更紗で、水滴で溢れ曇った窓をそっと拭うと、窓の外は温かな陽の光で溢れていました。木製の丸いテーブルの中央には昨日届いた果物と三日月型のチョコレートの箱が置かれていました。あの戦車は近くの丘を越えて、見ることはできません。エアフィールド・スミス・ジュニアは動物や鳥達が翼をしばし休めて、ちょっと元気になって素敵なアイデアと行動を思いつく、とても温かなカフェを造りたいと思いました。カフェはやはり、空と地の為の小さな港でもあるようです。