A fruit tree at the base of the mountain.6.

藍色の宙空から零れる星のかけらをまるい銀のお皿で拾いあつめて、ジョルジョは小さな洋燈をつくることにしました。そうそう葉っぱは「ジョルジョ」という名前になりました。名前というのはもらうものでも、名乗るものでもよいそうですが、実際のところ誰かに理解されるためには大切であるようです。葉っぱのジョルジョがあつめる星の微細なかけらはみな、形も大きさも、彩りも様々なのでしたが、少しずつ象つくって、やがてメロンほどの大きさの球体になりました。『きっとあの果てしない、大きな宙空にも何かの「鏡」が必要さ。それも宙空のどこかの惑星から見てもチカリと光るのが。」とジョルジョは小さい手で球体をピタピタと確かめながら、思うのでした。葉っぱのちょこちょこと動かす小さな足では、かけらさえあつめて回るのもそれなりにたいへんそうですが、ジョルジョは青の煌めきや赤の輝き、白の耀きを灯すこの小さな洋燈を「宙空の鏡」と名づけて、縞模様を描く大地のはざまで、また一つ一つ優しく組み上げてゆくのでした。