キプロスは、飛行船をつくろうと思いました。ふわりと浮かび、夜は月の海、昼は明るい太陽の宙空を滑るようにすすむ白い飛行船。不思議なことにその飛行船はもうずっと頭の中に愛らしく存在していたようにキプロスは思えました。キプロスは老人に「私には飛…
昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて未知の南の国を目指したという船団が、小高い丘と坂の多い港町に寄港したあと、暁に遙か遠く洋上へ向けて帆をはり、今日も尚秋から春にかけて大陸沿いにひんやりと冷たく吹く風にのってしばらく航海していた頃のことです…
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