2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

an island~an extract from a hidden ship`s log~6.a falconer.

船員がカフェをでて、街中をながれる小川沿いの小径を歩いていると、黒い大きなマントを羽織って背のそれほど高くない男が、背中のマントの先端を右手で掴んでコウモリの翼ように広げて何かを包んではなにやらモゴモゴと呪文のような言葉を呟くと、次の瞬間…

an island~an extract from a hidden ship`s log~5.in a village

船員がその里にやっと近づいた頃には陽もとうに西側に傾き始めていた。里の東側には森が広がり、森とその里を隔てる小高い丘に木製の大きな風車がゆっくりと空に円を描きながら、風を柔らかくとらえては軋むような音を立てていた。あいかわらず道は舗装され…

an island~an extract from a hidden ship`s log~4.under construction

太陽が空の頂点よりも少し西側に傾きはじめた頃、白く輝く三日月を眺めながら船員はゆっくりと立ち上がって、再び歩きはじめた。里の方角に目を向けると、かなり遠く彼方に南の黄色い大きな果実をいっぱいに乗せた台車が馬に引かれて揺れながらゆっくり進み…

an island~an extract from a hidden ship`s log~3.a sky seen on a grand

「やはり宙を奔るようにはいかないものだ。」と船員は呟いた。まず向かうべき里はもう見えているので、気分的にはだいぶ楽であったけれど、島の重力によるものか、それとも遭難後まだ体力が回復していないためか彼の歩みは思いのほかゆっくりしたものになっ…

an island~an extract from a hidden ship`s log~2.a hunter

あくる朝、船員は目覚めるとまずはこの島の様子を見てみなければと近くにある小高い丘の方に向かって歩き出した。少し進むと古びた銃をもっている猟師のような恰好の男と出会った。「あの、この近くにたくさん船の寄るような港はありますか。」と船員は尋ね…

an island~an extract from a hidden ship`s log~1.a prologue

夏の終わりの頃、まだ秋の足音がまだ少し遠い日に、宙から広い海の真っだだ中に鯨のようなかたちをした飛行船が突如、着水した。飛行中か、あるいは着水の時かさだかではないけれど、機関を損ねた模様で、副操縦士の合図で乗組員たちは皆いっせいにいくつか…

telephone

ただいまコーチングをするにあたって、本当にきれいな声はよりきれいに、人の小さな声や呟きやそれ以外の音声もよく聞きとれる音質のよい電話機を探しているところです。(初期費用がそれほどたくさんかかるということはないのですけれど、資金面でも当面別…

an expression

「感動した!」という言葉はある時をさかいにしてとてもたくさん使われるようになったのではないか、と思う。2001年5月、大相撲の夏場所千秋楽で前日の負傷を押して勝利し、優勝した貴乃花に対して、時の首相の小泉純一郎氏が「いたみに耐えてよくがんばった…