2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧
マイケル・ジャクソンさん死去のニュース、わたしも一視聴者として驚きをもって見聞きしました。 日本のニュースやCNNなどのポッドキャストも何度も伝えるなど、存在の大きさに改めて感じ入りました。1970年代も後半の生まれの私にとっては、スターになる過…
只今、コーチングに関するシンプルなHP(あるいはブログ)の開示も別途検討しております。もちろんこのブログもすこし不思議な形式のままおっとりと継続します。
The distorted and intricate arrows 後書きとして 新卒で入社した会社で、年度終わりの月に納会があった折り、還暦を過ぎたT取締役に○○屋のサンドウィッチを買ってこいと言われて、数万円を渡されて百貨店の地下まで使いにいった。祖母と暮らした期間はす…
目の前にすわる男、小杉の様子が心に強い警笛を鳴らす。「なにかにかかっているのじゃないか。」と千島は思った。策士を自認する人ほど自分の考えの及ばない部分からの策に罹りやすいものはない、とも千島は思う。一方ここ数日小杉の側にいてすることを手伝…
橋口は小杉は全くあいかわらずだ、と思った。札幌から東京のR社に入って、おそらく1週間になるはずであるのに、東京のS社のオフィスには顔も見せない。いや実際のところ、開始したとの連絡もない。取締役の外山が札幌にいることも原因のひとつであろうが、…
中越は努めて表情を抑えて、S社はやはりやる気だ、と思った。すこし離れた所に小杉が自信に満ちた表情をして坐っている。昨日、S社の営業の山岸と小杉が現れて、山岸が「よろしくお願いいたします。」と頭をさげていった。小杉はすこし胸を張って「お役にた…
あの人は何をしに来たのだろう、と昼休み外で皆で話した。昨日フロアに突然現れたその人は、見慣れない営業のような人と中越さんをまじえてほんの少しの間、フロアにある長い机や円いテーブルの置かれたワークスペースで話をした後、私達を見通すことができ…
川上は席に戻ると横の年上の女性社員からR社人事の中越さんから電話があった、と伝えられた。彼は20代後半、R社の人事からS社に出向してきて2年ほどが経つ。といってもR社の人事業務の主要な部分は札幌の人事部で行われており、彼は東京の庶務的な業務を行っ…
その頃R社人事マネージャの中越は黙然と席に坐って連絡を待っていた。側を行き交う人の声が不思議とぼんやりと聞こえる。今回の案件は正直難しい、と彼は思った。その範囲も対象も、人員を実際どうするのかもいまだはっきりはしていない。そして彼自身内示は…
S社営業部長の橋口は、取締役の外山に部屋に突然呼ばれた。彼は30代半ばを過ぎたばかり。中背であったが、少し太り気味であるので背中を遠くからみればなにやら打たれ強そうな印象を周囲に与えている。彼は少し緊張して部屋に足を運んだが、部屋のドアは既に…
小杉は札幌の市内にある5階の彼の部署の机のそばに座り、受話器とっていた。一般的なオフィスビルの部屋としては狭く、小中学校の教室を半分に割った程のこの空間は、内部からの情報の漏洩と外部からの侵入を防ぐために、二重の仕切りと分厚い壁で廊下や他の…
S社取締役外山はその頃、心の中で快哉を叫んでいた。受話器を握る左手も、椅子の肘掛けを持つ右手も熱い。R社の人事業務受託についてR社取締役の平原から、プロジェクト開始の連絡を受けたのだ。これがうまくいけばR社の経理業務その他のスタッフ業務や、R…
R社人事担当取締役の平原は、迷っていた。人事畑で長年経験を積んできただけに、年相応の陰影が刻み込まれたその顔には、もはや内面の揺れやその智慧さえ表情にそのまま映されることのないことを自分で知っている。人間にとって皺や皮膚の厚みも年輪であり、…