2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

The dove 1.a prologue

少し背が高くすらりとした男が街の中心へと続くなだらかな坂道をゆっくり登っていた。街の中央へとつづくこの道は、メインストリートの割にとても狭く、馬車一台通るのがやっとというほどで、両側には居住区のアパルトメントが空へと競うように隙間なく連な…

The dove 2.The invisible but consequent bird

男が広場を通って、そこからだいぶ離れた所にある家に帰り、父親と母親に商売がご破算になったことと戦闘にやむなく参加し撤退してきたことを伝えると、「いますぐ我が家の槍をもって再度戦場にむかうべきだ。そうでなくてはいけない。」と父親がいつになく…

二百年後の昔話 第2話

どこまでも見透せるかと思うほどに澄み、その一方でとても深い色合いをした湖のほとりに、ある山桜の木が立っていました。その桜の木は湖のまわりのなだらかな地形やほんの少し背が高く、穏やかな姿をしているためか近くからはもちろんのこと、湖のほとりの…

not cover but cushion

作家須賀敦子さんはエッセイ「大聖堂まで」のなかでフランスに留学したときの体験を次のように語っています。「はじめてのヨーロッパは、日本で予想していたよりもずっと厳しかった。言葉の壁はもちろん私を苦しめたが、それよりも根本的なのは、この国の人…

聞えるもの、聞く耳。

まだ子供だった頃、頭のいいひとたちはみな聞いたことそのものだけで瞬時に判断したり上手に批評できるのだといつのまにか思っていたのでした。 「リセプター」(受容体)とは、おそらく生物学由来の概念で、コーチングでも扱われています。これは、耳介や外…

the barrier

4月5日(日)の北朝鮮のテポドン2号の発射からあっという間に1週間が過ぎました。日本の上空を通ること、そして誤って日本に落下する可能性があることについて心配し、注目していました。結果、「無事」に通過した模様。私も一時は安堵のため息をついた一人…

桜の夜

19:00 上野公園にて 写真を載せるなら、写真が話してくれそうなものをといつも思っているのですが、06年製の携帯電話の付属カメラで。もっと爽やかな桜も撮りたかった。なお、上野公園は桜のほのかな香り吹くすこし下方にお酒の濃厚な香りが漂っていました。

cherry blossom-time

あの桜はいったいどこで見たのでしょうか。日本に住んだことがある人なら誰でも、頭のなかにふと浮かぶ桜の風景の一つや二つはあるに違いないと思います。私もJR埼京線の十条駅〜板橋駅間で朝ひときわ混んでいる満員電車から垣間見る桜には10代後半から20代…