2010-01-01から1年間の記事一覧

The little garden in a village around space.4.

キプロスと老人はもとの部屋にもどりましたが、老人は席には座らずに、とりたての果物や野菜がつまった駕籠を抱えて、奥の部屋にゆっくりと、それでも同じくらいのテンポと歩幅で歩いていきました。空中の部屋の外には、いつのまにかうっすらと雪を纏った地…

The simple tales to hold the earth by its tail.10.a strange stew buffet.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて未知の南の国を目指したという船団が、坂の多い港町に寄港したあと、暁に遙か遠くの洋上へ向けて帆をはり、今日も尚秋から春にかけて大陸沿いにひんやりと冷たく吹く風にのってしばらく航海していた頃のこと、丸くはずん…

The little garden in a village around space.3.

「今日はここに泊まっていきなさいな。」と老人はキプロスにいうと、庭の白い柱の一つにそっと触れました。すると、庭の上の方から白い半分くらい透明な屋根がひらいて丸く降りてきて、庭全体を包み込み、あっという間に空中の庭は、ひとつの中くらいの部屋…

The simple tales to hold the earth by its tail.9.a strange festival.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて未知の南の国を目指したという船団が、坂の多い港町に寄港したあと、暁に遙か遠くの洋上へ向けて帆をはり、今日も尚秋から春にかけて大陸沿いにひんやりと冷たく吹く風にのってしばらく航海していた際、月の明るい夜に、…

The little garden in a village around space.2.

しばらくして、キプロスは老人の方を振り返って、「ここはとても眺めのすばらしいところですね。」と言いました。老人は「眺めのよい場所は耳にもよいの。」と言って微笑すると、キプロスの顔を眺めました。キプロスも微笑して「そうですね。」と言うと、老…

The simple tales to hold the earth by its tail.8.a strange rainwear.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて未知の南の国を目指したという船団が、坂の多い港町に寄港したあと、暁に遙か遠くの洋上へ向けて帆をはり、今日も尚秋から春にかけて大陸沿いにひんやりと冷たく吹く風にのってしばらく航海していた際、月の明るい夜に、…

季節花日記〜その四(昭和記念公園秋桜他)

秋桜のつぼみ。光を丸くあつめる。宇宙になお浮かぶものについて。みな寛ぐように。 秋桜のつぼみ。花開くちょっと前の。明るさ。ポン。 水彩の理解を超えるあでやかな赤色。熱く。森の庭の原色。 大きく映る秋桜。濃い紫色のふちどり。花びらのスロープ。 …

The simple tales to hold the earth by its tail.7.a strange postman.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて未知の南の国を目指した船団が、今日も尚秋から春にかけて大陸沿いに吹く風にのって、坂の多い港町から遙か遠くの洋上で帆をはって船を駆り、ある月の明るい夜に白鯨の群れと遭遇したと航海記録に残っている前後のお話で…

古刹巡り絵日記〜そのいち(鎌倉瑞泉寺)〜

神奈川県鎌倉市二階堂。開山夢窓疎石由縁。鎌倉駅から徒歩40分程。 明るい門のむこうまで。寺の前の平たい石造りの参道をのぼる。 境内は緑で満たされている様。石畳もせまく。 宙空を映す小さな花。なつの青空と雲を。優しいなつの彩り。秋へと続く。 寛ぐ…

The simple tales to hold the earth by its tail.6.the chair for making decisions.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて南の国を目指した船団が、秋から春にかけて大陸沿いに吹く風にのって、坂の多い港町から遙か遠くの洋上で帆をはって船を駆り、月夜の晩に白鯨の群れと遭遇したと航海記録に残っている頃のお話です。 港町から出発した汽車…

季節花日記〜その三(鎌倉海蔵寺百日紅)〜

神奈川県鎌倉市扇ガ谷。海蔵寺。鎌倉駅下車徒歩にて。境内の百日紅(サルスベリ)は見頃。他に芙蓉の花もほぼ見頃の様子。

The little garden in a village around space.1.

あの白い港から見える明るい海の遙か彼方、深緑の大小の島々の間、雪を纏う山々の谷間に、ある小さな村がございました。この村の中央の広場近くには、四つ五つくらいの高い塔が建てられており、村の縁には、海原のそば、山の麓、宙空の端に通じる門がござい…

The simple tales to hold the earth by its tail.5.fairies build a green time and space.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて南の国を目指した船団が、秋から春にかけて大陸沿いにながれる風にのって遙か遠い洋上で、月夜の晩に白鯨の群れと遭遇したと航海記録に残っている頃のお話です。 あるところに妖精の住む濃い緑色の小さな村がございました…

季節花日記〜その二〜(御嶽レンゲショウマ)

JR御嶽駅よりバスにて滝本駅前。参道を徒歩で登る(同ルートケーブルカーも有り)。開始より「なかみせ」(中間地点)まで1.4キロを40分。残り1.4キロを20分で御嶽神社入り口へ。参道全て舗装してあることに少し驚く(当方ザック、登山靴などほぼ夏山フル…

祭り散歩〜その三(隅田川花火編)〜

東京メトロ浅草駅より。言問橋を渡り、上流方向へ。振り返る。人みな空に目を向ける。通路や橋の上、立ち止まり禁止・・・。 明治通り、白鬚橋上。道のそばに尚浮かぶこと。月模様。 向島付近より。赤く優しい宇宙であやとりするような花火。あい映る空の調…

祭り散歩〜その二〜

神奈川県川崎市。京急川崎大師駅より徒歩。川崎大師風鈴市にて。真なつの風景。 火より出て涼しさを耳から届けるもの。風の鈴。屋台の軒先より風鈴越しに五重の塔を。涼しくなあれとつく鐘みたいに。 あい響く丸い風鈴の高い音と音。光を浴びて。眺める。遠…

季節花日記〜その一〜

JR青梅駅より徒歩。青梅聞修院にて。ノウゼンカツラ。真なつに咲く花。7月15日(木)現在、近隣の里に咲く花もふくめて、ほぼ見頃の様子。 花束。青い梅雨の季節が明けるその前に。禅寺の庭で寛ぐ。あい重なるツルとツル、花と花の森。くまなく散らばるト…

祭り散歩その一(七夕編)

JR浜松町駅。徒歩にて増上寺へ。門を通り、境内。東京タワーをのぞむ。なつ模様。増上寺七夕祭り。 短冊の向こう側の東京タワー。小さな葉と葉のすぐ後ろのおおきな願い事。いちにさん。風に舞う。願いと智慧。 中央に短冊。みな優しくあい溶けあう願いや…

緑散歩その十三

JR東日本高崎線籠原行き桶川駅着。朝日自動車バスにて菖蒲城址前。あやめ園〜ラベンダー堤〜しらさぎ公園。お花摘みの項。 明るく晴れ渡る。その先へ。みなみ方面に通うみちで。平たい所、坂になる所。愛らしい子供。その一歩。後ろ姿拝借。 地面から垂直…

緑散歩その十ニ

湘南新宿ラインにて神奈川古都鎌倉へ。紫陽花散策。 成就院。本堂に至る坂道に小さくあでやかにすわる。真夏みたいな雨の最中にて。雨をまとう。それでも優しく明るい赤色の彩り。加わる緑色もみな映える頃。 成就院本堂へと至る坂道にて。寛ぐように雨を受…

緑散歩その十一

小田急本厚木駅から神奈川中央交通バス半原行き。愛川大橋に。川沿いのみどりの里。あいかわ公園から宮ケ瀬ダムへ。 やわらかなで和やかな明るさ。優しいひかりをうける。葉をさがすことと目をやすめること。新緑の香り。 あじさいをまとう路。梅雨入り前の…

緑散歩その十

六義園にて。小川の側。明るい光ふる林の中で。中央に浮かぶ翼になる前の緑葉に加わる。がしっと前にでる白い花。みな目を休め耳澄ますところ。iPhoneでモバイルオフィス。

緑散歩その九

新宿御苑内にて。「小さな花」。清廉の向こう側に垣間見ようとする光。それでも期待すること。多層化構造の意識のなかに共振する層を探求することについて。共時性が内包するもの。考慮中にて。

緑散歩その八

生田バラ園(神奈川)。山に囲まれる平らな場所。「新緑とバラの安らぎ」。初夏である理由。優しい光溢れる。森の小動物にあいたいような。 逆光にて。ひかりにとけること。 遠い野原の黄色の鈴。新緑の智慧。寛容な青い宇宙へとづづく花のみち。 明るい黄色…

The simple tales to hold the earth by its tail.5.a strange merry-go-round.

昔々、遙か西の国の港を巡り、やがて南の国を目指した船団が、秋から春にかけて大陸沿いにながれる風にのって航海し、遙か遠い洋上で、月夜の晩に白鯨の群れと遭遇したとある商人が愛蔵する航海記録に残っている頃のお話です。 ある中くらいの島の東の果てに…

緑散歩その七

北区西ヶ原旧古河庭園内。とても賑やかな中で。都会の谷間、高原の風景。スロープの後の平らな位置から館を振り返って。花摘み。尚バラ満つる時。 森の気配。紀元2千年とちょっとの項。あでやかな赤に加わる仄かな黄色の風景。 初夏の萌し。れいりな。そろ…

緑散歩その六

横浜市。元町方面より歩いて港のみえる丘公園に。バラの花と少しだけ尖る旗印のような。生き生きとした。まるい道。バラを通り、向こう側のバラへと続く。 赤レンガ倉庫。優しく神秘的な赤い夜。海のすぐ側にて。 県庁近くのみなとにて。水面と宇宙に映る街…

緑散歩その五

鎌倉報国寺竹庭内にて。春を彩る竹庭。硬質な帷の向こうにある春夏秋冬。みな明るい新緑。あいかさなる葉音と葉音。わたる風。寛容なる自然の風景。

緑散歩その四

江東区亀戸天神社藤まつりにて。歩む場所のないほどの盛況。そのすぐそばにある静寂。そして花咲く理由。晴れのち晴れ。花見る皆こそ晴雲秋月。皐月の項の宇宙。

緑散歩その三

根津神社。ツツジの森と谷の風景。のびる宇宙(そら)とツツジ。神社のこれまで。そしてこれから。縫うひと。ツツジの里の深さとまるみ。中央わずかに左の高い樹。本当の広がり。 坂になるツツジ。宇宙とツツジの間。 モコモコ。アイスクリームのような。遠…