2010-01-01から1年間の記事一覧

The simple tales to hold the earth by its tail.4.a strange confectionary dome.

昔々、ある船団が西の国の港を巡り、黄金の恵と聞こえ高い果実の苗を探しに南の国へと船首を向けて、秋から春にかけて東から西にふく風を帆に受けて、星の雨降る遙か遠い洋上で、ある月夜の晩に白鯨の群れと遭遇したと航海記録に残っている頃のお話です。 西…

緑散歩その二

目黒川沿い。冬と冬の間の春。とても明るいまるで夏みたいなお天気。今年いちばんの温かさ。桜のすこしあと。そして桜の遙か前。 あるお店の前。自転車。優しく遠いクルマのエンジンの音。てくてく。誰かにあいたいような佇まい。てくてく。

緑散歩その一

季節のシオリ。ほんわかした春模様。川に架かる橋のたもとより。東急二子玉川駅近く。

a beaver build up a little public garden.~ in the children`s hour with cherry blossoms.〜

エアフィールド・スミス・ジュニアは朝起きると、家の近くの桜を見に行きました。桜の前には笛を大事そうに背中のリュックにしまっているリスのガルシヤがもう来ていて、左側に数歩トコトコと歩くと、今度は右側にトコトコ戻り、桜を愛らしく見上げていまし…

桜散歩その四

港区六本木1丁目。あいかわらず歩く歩く。桜越しの夜空。雨がちらついていても夜になればずっと優しい青空。人の明かりで輝いていてもそれは桜。その向こうの空。

桜散歩その三

港区三田。歩く歩く。賑やかな公園の片隅から外側を眺める。桜ガラスもしくは蔦桜。桜の向こう側。まもなく雨が降り出す風景。

桜散歩その二 桜模様の空。

空模様。曇もしくは桜模様。 隅田川沿いはあまりの寒さにブルブル。浅草は多言語で本当に賑やか。左隅の東京スカイツリーは果たしてどれほど宇宙にとどくのでしょうか。

桜散歩その一

恵比寿 坂道 桜の屋根 あるいてくっとみあげてみました。 目黒 川沿い 桜の窓 [:] あるいてくるりとふりかえってみました。やすらかに。優しい桜の内側と外側の風景。桜の「今年もそろそろ咲こうかしらむ。」という気持ちよりも、たくさんのひとの「もう春だ…

The simple tales to hold the earth by its tail.3.a strange hamburgershop.

昔々、東の国由縁のある船団が遙か西の国の港を巡り、人や動物や智恵の書物を載せて、やがて南の国の方角へと向かった際に、ある月夜の晩に遠い洋上で鯨の群れと遭遇したと航海記録に残した頃のお話です。 小高い丘の稜線に格子状の硝子細工の枠組みを揃えて…

The simple tales to hold the earth by its tail.2.a strange sweet shop.

昔々、赤い煉瓦造りの建物が並ぶこの街と空に浮かぶ月のもと同じ湾の向こうの端に遠く垣間見えるあの白い街がまだ別々の大陸にあった頃のお話です。 ある街にお菓子屋さんがございました。ある時、いつも苺と夏蜜柑のタルトを楽しそうに作る店員が店の主人の…

a beaver build up a little public garden.9.the relief sculapture on the cradle.

エアフィールド・スミス・ジュニアは、小首を軽く傾げると、傍らに立つ店のオーナーを見上げて、「どうすれば、あの柔らかく輝くレリーフのようなものをつくることができるでしょうか。」と尋ねました。オーナーは優しく微笑んで、「その望遠鏡のつまみを動…

a strange riddle at night.1

深夜の眠りになぞなぞをお一つどうぞ。今を見ているようで、歴史も見ている。 カーリングストーンのようにはじきはじかれて在るようで、重なっても存在できる。 入力のレンズと出力のレンズを持ち、かつ纏う鏡に遥か外界を映す。 物理的あるいは心理的に近く…

The simple tales to grasp the earth by its tail.1.a strange house

昔々、赤い煉瓦造りの建物が並ぶこの街とあの湾の向こうに遠く見えるあの白い街がまだ別々の大陸にあった頃のお話です。 ある島が、海のあるところからまたある場所へとゆっくりと移動しておりました。島はど十分に広く、海に霧がかかる時分には、輪郭もやん…

Long time no see but little invisible.8. a strange gatekeeper

昔々まだ空と地の境が遠く曖昧だった頃、鐘の音を美しく響かせる尖塔が空高くそびえるこの街から、山脈を幾つか越え、海を渡ったあたりのお話です。弓なりに弧を描き、とても大きな山を遠く望む湾の端に、とても美しい街がありました。夏の温かい気候の中で…

Long time no see but little invisible 7.a strange store.

昔々まだ空と地の境が遠く曖昧だった頃、鐘の音を美しく響かせる尖塔が空高くそびえるこの街から、山脈を幾つか越え、海を渡ったあたりのお話です。 ある街に、男が不意にやってきました。男は広場の片隅で、「あの雑貨店の銘の入った商品はとてもよいらしい…

Long time no see but little invisible 6.a mirror image house.

昔々まだ空と地の境が遠く曖昧だった頃、鐘の音を美しく響かせる尖塔が空高くそびえるこの街から、山脈を幾つか越え、海を渡ったあたりのお話です。 ある男が、それまで住んでいた田舎の自分の家を見て、こう呟きました。「この家は嫌だ。自分が造るのであれ…

Long time no see but little invisible 5.a strange tailor.

昔々まだ空と地の境が遠く曖昧だった頃、鐘の音を美しく響かせる尖塔が空高くそびえるこの街から、山脈を幾つか越え、海を渡ったあたりのお話です。 ある街の仕立て屋が、それまでのながい仕事で四角い大きな鍵と錠前がしっかりと備え付けられた机の引き出し…

a beaver build up a little public garden.8.a telescope of statement

エアフィールド・スミス・ジュニアは、2杯目のカプチーノを飲みたくなって、黒猫の呼び鈴を鳴らしました。すると店のオーナーが奥からでてきて、鳩くらいの大きさの包みをテーブルに置きました。その包みは、いちごの密な絵柄がくっきりと描かれた絹ででき…

Long time no see but little invisible 4.a mineral product.

昔々未だ空と地の境が遠く曖昧だった頃、尖塔のあるこの街から幾つか山を越え、海を渡った辺りのお話です。 この地域の中心の街の一つから川を下り、草原を突き抜けたあたりに小さな街と、そのすぐ近くに七色の複雑な光を放つ鉱山がありました。その鉱山にあ…

Long time no see but little invisible 3.eyeshot.

昔々未だ空と地の境が遠く曖昧だった頃、ここから幾つか山を越え、海を渡ったあたりのお話です。ある大陸の中央からやや南で道が三つに分かれて、やがてまた一つとなる場所がありました。外国製の辞書や文房具を扱う商人がこの辺りを通ってこう言いました。…