2012-01-01から1年間の記事一覧
葉っぱのジョルジョは星の断片(かけら)を探しては、辺りがシンと静まる月夜の刹那に洋燈を少しずつ丁寧に作っていきました。この「宙空の鏡」は、空に見える星々と同じように球体をしているのでしたが、宙空のどこかだけでなく、水やりに行く花畑のある丘…
その日、キプロスは読書や少々の書きものをしたあと、やはり宙空彼方をまるい小さな窓から眺めていました。宙空はあくまで青く青く、澄んでいましたから、大きな惑星の白くまるいかげも、ゆったりと航行する大型の飛行船や、大型船よりは細やかに速く動く小…
藍色の宙空から零れる星のかけらをまるい銀のお皿で拾いあつめて、ジョルジョは小さな洋燈をつくることにしました。そうそう葉っぱは「ジョルジョ」という名前になりました。名前というのはもらうものでも、名乗るものでもよいそうですが、実際のところ誰か…
夜遅くまだ朝の光が届くその前に、空翳り、雷鳴く冬の嵐になりました。絶え間なく不規則に細かく方向をかえ、強く吹きすさぶ風は、既に地面に積もった雪をも再び舞いあげては、濛々とした雲をつくり、葉っぱをぐるっととりまいていきました。けれど、葉っぱ…